Power Automate for desktop社内活用・RPA促進術
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KMDSでのPower Automate for desktop導入と実績について
近年、非IT部門が自らの手で業務のデジタル化や自動化を図る、いわゆる「市民開発」という考え方が注目を浴びるようになっています。
KMDSでもこうした流れを受けて、様々なローコードツールを使って、業務の効率化を積極的に進めています。今回はその中でも、Power Automate for desktop というツールを使った業務の効率化について、社内での導入から実績までをご紹介します。
◆ Power Automate for desktopとは
Power Automate for desktop(以下PAD)とは、Microsoft社が2020年から提供しているRPA(Robotic Process Automation、PC上での作業を自動化できる)ツールです。PADを使えるようになると、Web操作やExcel編集、メール送信といったPC上で行う様々な作業を自動化することができます。
Windows 10以降であれば、追加費用なしで利用開始可能です!
◆ PADの特徴
「自動化」と聞くと、プログラミングで組むもの、プログラミング言語の知識がないと出来ないイメージが強いですが、PADの特徴は「自動化のための工程が理解できる言葉で用意されている」という点にあります。
例えば、「エクセルファイルのセルA1の値をコピー(読み取り)して、セルB1にペースト(書き込み)する」という処理を、VBAでやってみましょう。VBAの場合、エディター画面で以下のような記述をする必要があります。
一方、PADではどのような記述になるでしょうか。
図を見ていただくと分かる通り、PADではプログラミング言語を書いていません。操作画面の左側に日本語で様々なアクションが用意されているので、その中から自動化したい動作を1つずつ選び、右側のスペースに並べていくだけでその工程を自動化することができるのです。
このように、PADはプログラミング言語の知識がない人にも理解しやすい仕組みで用意されているので、「普段PCを使って作業はしているけれど、PCそのものにはあまり詳しくない。エクセル関数も正直苦手……」といった方でも、少し使い方を学ぶだけで自分で手軽に自動化ツールを作成することができるようになります。
◆ KMDSでのPAD利用促進
KMDSでは、PADの利用普及が会社全体の業務効率化につながると考え、2020年頃から社内での利用・促進に力を入れてきました。
具体的には、業務改善を担うチームを中心として、
- PADについての情報を社内で定期的に発信したり、
- PADで実現できそうな業務自動化の要望を社内ヒアリングしたり、
- 実際の業務に利用できそうな題材を元に社内オリジナルのPAD講座を用意して、従業員の誰でも好きなタイミングで学べるような環境を整えたり、
- 講座を受講後、実際に業務の自動化に着手した方をサポートしたり、
などの活動を行っています。
社外向けにも講座の提供をしています!
◆ 実績と効果
利用の普及に努めてから現在に至るまで、社内では数多くの自動化要望案件が挙がり、様々な部署で業務の自動化が進められています。社内講座を受けた従業員が自分たちの従来の業務を見直して自ら自動化に着手する機会も増え、会社全体で業務効率は年々上昇しています。
<自動化業務の一例>
- システムから出力したデータを加工(計算、ピボットテーブルなど)してフォーマットを整える作業
- Webサイトから情報を取得・ダウンロードして所定のエクセルフォーマットに入力後、PDFに変換して関係者へメールで一斉配信する作業
- メールで送付されてくるエクセルのフォーマットに対して、別のエクセルのリストからデータを転記して返信した後、更に印刷する作業
◆ 社員の声
最後に、実際に業務の自動化に取り組んだ社員からの感想をご紹介します。 いずれも非IT部門所属で、社内講座を受講から始めて、自ら業務の自動化に挑戦した社員達の生の声をお聞きください。
―いかがでしたでしょうか。
当社の事例から、PADを使った業務の効率化に興味を持っていただけたら幸いです。
KMDSでは社外への講座提供・利用促進の実績もございますので、「社内でのRPA促進・活用」に関してご相談やご質問などございましたら、是非「ご相談フォーム」からお寄せください。
次回からは、PADの実際の使い方を、ひとつずつご紹介していきたいと思います。